疫学を、やさしく読む
どのくらいの方が診断されるのか。数字の背景も一緒に。
疫学は、たくさんの人の情報から、病気の起こり方や関わる要因を調べる学問です。ここでは、がんの数字を読むための言葉を整理します。数字に詳しくなくても大丈夫です。
「罹患数」は、新しく診断されたがんの数
罹患(りかん)は、新たに病気と診断されること。国立がん研究センターの全国がん登録では、2023年に新たに診断されたがんは993,469例でした。いま治療中の方全員の人数や、病院で行った手術の件数を示す数字ではありません。
同じ人に別のがんができる場合もあるため、「例」と「人」は同じ意味とは限りません。当サイトでは原資料に合わせて「例」で表示します。
人数と、人口あたりの割合は違います
罹患数が多いかどうかは、人口の多さや年齢構成にも影響されます。地域や年を比べるときは、人口10万人あたりの罹患率や、年齢構成の違いをそろえた「年齢調整罹患率」などを確認します。
診断される数の増加だけで、同じ年齢の一人ひとりのリスクが同じ割合で増えたとはいえません。高齢化、検査の機会、登録の方法などにも目を向けます。
リスク因子は、原因を決めつける言葉ではありません
ある要因がある人の集団で、ない人の集団より病気が起こりやすいとき、「リスクが高い」と説明されます。その要因があれば必ずがんになる、なければならない、という意味ではありません。
病気の背景には、年齢、遺伝、感染、環境など、さまざまなものが関わります。診断されたご本人の努力や責任を判定するための情報ではありません。
統計を見るときの、4つの確認
- 対象年:発表された年と、診断された年を分ける。
- 対象:全国か、特定の病院か。病名・年齢・性別は何か。
- 指標:罹患数、死亡数、生存率を混同しない。
- 比較:同じ定義・同じ条件の数字かを確かめる。
同じ年の死亡数を罹患数で割っても、その年に診断された方の死亡割合や生存率にはなりません。別の集団を数えているためです。
知りたい病気のページから、少しずつ
各がんのページに、2023年の全国の罹患数と、発生に関わる要因を載せています。集計範囲が病気の説明と異なる場合には、そのことを明記しています。
出典・参考資料
公的機関・専門機関などの資料を確認し、当サイトの言葉でまとめました。以下は参考にした原資料です(外部サイト・別タブで開きます)。