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ACP・人生会議:私らしい暮らしを話し合う

08 これからの希望 / ACP・人生会議

「どう生きたいか」を、
あなたの言葉で。

大切な時間、守りたい役割、心配なこと。
その想いを、これからの医療やケアへ。

読むタイミングは、ご自身で選んでください。

この先には、病状が変わったときや、ご自身で気持ちを伝えにくくなったときの話も含みます。ACPは、人生の最終段階に限らず、これからの暮らしを考える話し合いです。

今は考えたくないところは、読まなくて大丈夫。途中で閉じても、また戻ってきてもかまいません。

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内容を理解して、必要なところから読む

ACPは、あなたの「大切」を一緒に考えること。

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、「人生会議」とも呼ばれます。
どんな毎日を送りたいか、どんな医療やケアを望むかを、信頼する人や医療者と繰り返し話し合うことです。

病気の治療を頑張りたい気持ちと、家で過ごす時間を大切にしたい気持ち。どちらも話してかまいません。書類を完成させることより、「あなたがそう思う理由」を知ってもらうことを大切にします。

今すぐ治療を選んだり、最期について答えを出したりしなくて大丈夫です。

始める日も、立ち止まる日も、自分のペースで。

診断されたとき、治療が変わるとき、退院して暮らしが変わるとき。「少し話してみようかな」と感じたときが、きっかけになります。

ひとつ、思い浮かべるいま守りたいものは?家族との時間、仕事、ひとりの時間。小さなことから。

誰かに、伝えてみるどうして大切なのか。答えより、その理由を一緒に話します。

また、確かめる今の気持ちはどう?医療者と相談し、変わった希望を共有します。

話すかどうかは、ご本人が選べます。「今日はここまで」「まだ考えられない」も、大切な意思表示です。周りの人が、話し合いや記入を無理に進める必要はありません。

「私らしい」は、立派な言葉でなくていい。

次の問いは、考えるための例です。正解も、点数もありません。答えやすいものだけ、開いてみてください。

何ができると、「いつもの自分」でいられる?

朝、自分で服を選ぶ。短い時間でも仕事の話をする。好きな人と同じ部屋で過ごす。毎日の中で、なくなると寂しいことを思い浮かべてみましょう。

「長く話せなくても、子どもの話を聞く時間は残したいです」

手伝ってほしいこと、まだ自分でしたいことは?

同じ手助けでも、安心する人と、気が重くなる人がいます。誰に、どこまで頼みたいかも、あなたの希望です。

「着替えは少し待ってほしい。難しいところだけ手伝ってほしいです」

助けを借りることと、自分らしさを守ることは、両立を目指せます。

心配していること、できれば避けたいことは?

つらい症状、先の見通し、お金、家族の暮らし、ひとりになること。話せそうな心配を、ひとつずつ。

「家族に迷惑をかけたくない気持ちがあります。でも、本当は一緒にいたいです」

「迷惑をかけない」を、一人で達成しなければならない目標にしなくて大丈夫。どんな支えがあれば過ごせそうか、医療者にも相談できます。

家族の前で、どんな自分でいたい?

たとえば「子どもには、かっこいいパパでいたい」という想い。その人の「かっこいい」が、身だしなみなのか、相談に乗ることなのか、いつもの冗談を言うことなのか。具体的に聞くと、支え方が見えてきます。

これは考えるための一例です。弱音を聞いてほしい日や、全部任せたい日があってもかまいません。

あなたの想いを、一緒に伝えてくれる人。

もし自分でうまく伝えられなくなったら、誰に話し合いに加わってほしいでしょう。家族だけでなく、パートナーや親しい友人など、あなたをよく知る人も考えられます。

本人が選んだ人に、まずお願いしてよいかを確かめましょう。「私の代わりに全部決めて」ではなく、「私が何を大切にしているか、医療者に伝えてほしい」と話すことから。

「私がうまく話せないとき、今日話した希望を、先生に一緒に伝えてもらえる?」

頼める人が思い浮かばないとき

今すぐ誰かを決めなくても大丈夫です。担当の看護師、医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターなどに相談し、希望を記録・共有する方法を考えられます。

家族と話しづらい事情があれば、先に医療者とだけ話すこともできます。

このページに人の名前を書くだけで、医療への同意や預金の管理など、すべてを代理できる権限が生まれるわけではありません。連絡先・情報共有の相手・必要な手続きは、医療機関などと別に確認しましょう。

切り出し方に迷ったら、こんな一言から。

ご本人から

「何かを決めたいわけじゃないんだけど、大切にしたいことを少し聞いてくれる?」

ご家族から

「これからの過ごし方で、私に知っておいてほしいことはある? 今は話したくなければ、またにしよう」

医療者に

「治療のことだけでなく、これからの生活も含めて相談する時間をつくれますか?」

うまく言えないとき

「まだまとまっていません。何を考えたらよいか、一緒に整理してほしいです」

疲れにくい時間に、短く。話の途中で泣いたり、答えが出なかったりしても、それで失敗ではありません。

医療の希望は、「私の場合」を聞いてから。

同じ治療でも、病状によって見込める効果や負担は違います。まずは、今分かっていることと、まだ予測できないことを医療者に確かめましょう。

見通しをどこまで知りたいか、誰と一緒に説明を聞きたいかも伝えられます。説明を聞くたびに、分からないことを聞き直してかまいません。

蘇生・人工呼吸器・栄養や点滴の話を、詳しく知りたい方へ

この部分は、必要になったときに読んでも大丈夫です。ここだけで「する・しない」を決めるための一覧ではありません。

心臓が止まったときの蘇生

胸を押す処置などで、心臓や呼吸の働きを取り戻そうとする対応です。今の病状ではどのような結果が見込まれるか、負担も含めて医師に説明してもらいましょう。

呼吸を助ける治療

どんな方法で、何を目標に使うのか。一時的な支えを考えているのか、長く必要になる可能性があるのかを確かめます。

食べられないときの栄養・水分

口から食べる工夫、管を使う方法、点滴などについて、自分の状態に合う選択肢と、楽になること・負担になることを相談します。

「まず試して、効果と負担をみながら見直す相談はできますか?」

治療を始めることも、変えることも、やめることも、医学的な判断と十分な話し合いが必要です。このページのメモだけで実施や中止が決まるものではありません。

ACPと、DNARは同じものではありません。

DNARは、心停止のときの蘇生についての方針です。

DNARは「心停止時に心肺蘇生を試みない」という指示を指します。ACPという話し合い全体の、一部で扱われることがある内容です。

DNARだから、痛みを和らげるケアや、酸素・抗菌薬などを一律に行わない、という意味ではありません。ほかの治療やケアは、それぞれの必要性と本人の希望を踏まえて検討します。

「延命はしない」という一言だけでは、想いが十分に伝わらないことがあります。どんな場面の、どの治療を考えているのか、医療者と具体的に確かめましょう。

「どこで過ごしたいか」も、何度でも相談できます。

自宅、病院、住まいの施設。希望をかなえるために必要な支えは、場所によって違います。体調、夜間の対応、家族の生活、費用も一緒に考えます。

「家が落ち着くけれど、夜に苦しくなったら不安です。どんな支えがあれば帰れそうですか?」

「家に帰りたい」と言った後に、入院を希望してもかまいません。家族も、できることと難しいことを率直に伝えてください。

緩和ケア病棟・ホスピス型住居・自宅の違いを読む →

ご家族へ。「自分の願い」と「本人の想い」を、並べてみる。

少しでも長く一緒にいたい。つらい思いはしてほしくない。ご家族にも、簡単には整理できない気持ちがあります。

そのうえで、本人が何を望んでいるかは、本人に確かめることから。「私ならこうする」を、そのまま本人の希望にしないようにしましょう。

本人と家族の希望が違うとき

すぐにどちらかを説得しようとせず、「そう思うのは、何が心配だから?」と理由を聞いてみます。本人の体調や生活への願いと、家族の不安を分けて、医療者と相談しましょう。

ご本人が望めば、家族と別々に話す時間を設けてもらう方法もあります。話し合いがまとまらないときは、複数の専門職に加わってもらえるか尋ねてください。

本人が、うまく話せなくなったとき

まず、本人が伝えられることはないかを確かめます。短い言葉、筆談など、状態に合う伝え方を医療者と考えます。

それでも意思を確認できないときは、以前の発言や大切にしてきたことを手がかりに、医療・ケアチームと話し合います。希望を推し量れない場合には、本人にとって何が最善かを一緒に検討します。

ご家族だけで、正解を見つける責任を背負う必要はありません。「分からない」「私だけでは決められない」と伝えてかまいません。

本人の気持ちと尊厳を大切にする、支え方へ →

話したことは、日付と一緒に。変わったら、伝え直す。

希望、そう考えた理由、まだ迷っていることを、短く残しておきましょう。誰と話したか、誰に共有したかも書いておくと、次の話し合いにつながります。

治療や体調が変わったとき、退院・転院のとき、気持ちが変わったときには見直しを。古い記録だけが残らないよう、最新の希望を家族と医療者に伝えましょう。

ACP・事前指示書・エンディングノート・遺言書の違い
  • ACP:考え、話し合い、共有し、見直していく過程です。
  • 事前指示書:将来の医療やケアについての希望を、あらかじめ書いたもの。書いた内容を医療者と確かめ、話し合いに生かします。
  • エンディングノート:暮らし、連絡先、葬儀なども含め、想いを整理するノートです。
  • 遺言書:財産の承継などについて、法律上の方式に沿って意思を残す文書です。

このページのメモは、正式な医療指示書や遺言書ではありません。書くだけで希望どおりの対応が自動的に実施されるものでもありません。

「急に困ったら、どうする?」も、先に相談。

療養先が決まったら、次のことを担当の医療者と確かめておくと、困ったときに探すものが少なくなります。

  • 日中・夜間に連絡する先と、どんな症状で連絡するか。
  • 急変したときの対応や搬送について、相談した内容。
  • 最新の希望の記録、薬の情報、連絡先を置く場所。

このサイトのメモは、救急隊や医療者への医療上の指示ではありません。緊急時は医療者からの説明や地域の救急対応に従い、メモを探すために必要な連絡を遅らせないでください。

小さなメモ

私の希望を伝える、話し合いのメモ。

入力内容は送信・保存されません。残したい内容は、ご自身のメモにコピーしてください。名前や病院名は書かなくて大丈夫です。

これは話し合いのきっかけをつくるメモです。入力は送信・保存されません。医療者に見せる場合は手元のメモにコピーし、具体的な医療・ケアの方針は一緒に確認してください。

今日、持って帰る言葉

あなたが何を大切にしているか。
それを知ってもらうことから、始められます。

全部を決める日でなくても、大丈夫です。

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参考にした情報

情報確認日:2026年10月24日。原資料をもとに当サイトの言葉でまとめています。参照先の機関による監修・推奨を意味しません。

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