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治療のある毎日を支える

食事と毎日の暮らし

病気になっても、「私」の毎日は続いていく。

食べることも、身支度も、家のことも。今の自分に合うやり方で。

昨日は食べられたものが、今日はつらい。洗濯をしただけで、ひと休みしたくなる。そんな変化に戸惑ったとき、「前はできたのに」と自分を責めていませんか。ここでは、今日を少し過ごしやすくする方法を考えます。

食べる時間を、つらい宿題にしない。

「食べた方がいいのは分かっている。でも、食べられない」。そのつらさまで、飲み込まなくていいんです。

吐き気、口の痛み、におい、飲み込みにくさ。食べられない理由は一人ひとり違います。まずは「何がつらいか」を、医師や看護師、管理栄養士に伝えてください。

「量を増やす前に、この気持ち悪さを何とかしたいです」
そんな言い方でも、伝わります。

食べるご本人へ:今日の食べやすさから

前に好きだったものが、今日は合わなくても不思議ではありません。食べる時間や量を小さく分けるなど、今の体に合う工夫を相談しましょう。

  • いつ、何を食べようとするとつらい?
  • におい、温度、口の痛みなど、気になることは?
  • 今日は少し口にできたものがある?

食事の制限がある方や、手術後・飲み込みにくい方は、食べ方を変える前に担当の医療者へ確認してください。

支える方へ:「あとひと口」の前に

少しでも元気になってほしくて、時間をかけて用意した食事。残ると、悲しくなることもありますよね。

でも、残した量は、感謝の少なさではありません。「食べてほしい」という願いが、本人の負担になることもあります。

「今日は、何がつらい? 少しにしておこうか」

たくさん用意する前に、今日の気持ちを聞いてみる。作る方も、毎回頑張りきらなくていいんです。

本人の気持ちを大切にする支え方へ →

我慢せず、医療者に伝えてほしいこと
食事量の低下が続く、体重が落ちる、むせるときは早めに相談を。水分もとれないときは、次の受診を待たず病院へ連絡してください。

「こんな自分でいたい」を、大切に。

鏡を見るのがつらい。いつもの服を着て出かけたい。家族の前では、かっこいい自分でいたい。

見た目のことは、「治療中なのに、そんなこと」と遠慮する話ではありません。髪や肌などの変化に伴う困りごとを支えることを、アピアランスケアといいます。治療前から相談できます。

整えたい日も、何もしたくない日も。誰かにとっての「いつもどおり」に合わせるより、ご自身が落ち着いて過ごせることを大切にしてくださいね。

帽子・ウィッグ・衣類は、自分の心地よさで

まずは「使いたいかどうか」から。必要を感じなければ、買わない選択もあります。

  • 仕事用、外出用、家で過ごすとき。どんな場面で使いたい?
  • 肌ざわり、重さ、締め付けは気にならない?
  • 手入れの手間や、無理のない予算に合っている?
  • 試着・返品・サイズ調整はできる?
周りの方へ:気にしすぎ、と片づけない

「誰も気にしていないよ」と励ましたくなるかもしれません。でも、本人が気になっていることには、本人なりの理由があります。

「どんなところが気になる? 一緒に選ぶ? 今日はそっとしておこうか」

手伝うことも、本人が選ぶのを待つことも、支え方の一つです。

入院の荷物にも、いつもの自分を少し。

持ちものをそろえていると、入院が急に現実になって、不安になることもあるかもしれません。最初から完璧に用意しなくて大丈夫。

まずは病院の案内を確認して、指定されているものと、借りられるものを分けましょう。

準備するときの、小さな確認リスト
  • 必要な書類、お薬手帳、今使っている薬の情報
  • 着替え・日用品の指定と、レンタルの有無
  • 洗濯、面会、荷物の受け渡しの方法
  • 入退院の移動と、帰宅後の手助け

そのうえで、病院のルールの範囲で、読みかけの本や家族の写真など、ほっとするものを一つ。何も持ちたくなければ、それでも。

支える方は、「必要そうだから買ってきたよ」の前に、
「何か持っていきたいものはある?」と聞いてみてください。

頼るところも、自分で続けたいことも。

家事を全部代わってもらうと助かる日もあれば、「これは自分でしたい」と思う日もあります。支えを受けることと、自分で選ぶことは、両方あっていいんです。

「今日は洗濯をお願いしたい。子どもの話は、私が聞きたい」
頼みたいことと、続けたいことを、一つずつ。

仕事やお金のことが、頭から離れないとき

治療の予定や働き方の見通しを聞いてから、休み方や勤務時間を相談する方法もあります。退職などの大きな決断を、一人で急がなくて大丈夫です。

費用のことは、病院の相談窓口やソーシャルワーカーへ。「どの制度が使えるか分からない」というところから相談できます。

暮らしを支える制度・相談先を知る →
家族に言いにくいこと・頼れる人がいないとき

心配をかけたくない。子どもに何と言えばいいか分からない。そもそも、近くに頼れる人がいない。

家族だけで答えを出す必要はありません。がん相談支援センターでは、伝え方や暮らしの不安も一緒に整理できます。

「治療のこと以外にも、暮らしで困っていることがあります」
そう切り出してみてください。

支えている方の、暮らしも

ご本人の希望を大切にするために、ご家族が何もかも我慢する必要はありません。「今日は私も休みたい」と言えることも、大切にしたいと思っています。

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